借入金の個人保証を解消するため、空調設備工事・人材派遣会社(売上:約6億円)を近接分野の会社に売却。
売り手企業
事業内容 | 空調設備資材販売・工事/人材派遣 |
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売上 | 約6億円 |
売却理由 | 後継者不在 / 創業者利益の獲得 |
買い手企業
事業内容 | 空調設備のメンテナンス |
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売上 | 約10億円 |
買収目的 | 周辺分野への進出 |
スキーム | 株式譲渡 |
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概要 | 売り手のオーナー社長は、大手の空調設備工事会社を顧客として、資材販売、工事下請け、人材派遣を行う会社を経営しており、会社設立以来一度も途切れることなく増収を続けていた。 しかし、売上拡大に伴い、運転資金を確保するために徐々に借入金も増えており、個人保証をしていたオーナー社長にとっては大きな心理的負担となっていた。 また、オーナー社長には将来息子さんに会社を継がせる意思もなく、完全にリタイヤするにはまだ早い年齢だったが、一旦身軽になって自分の好きなことをしていきたいとの思いで会社の売却を決断した。 オーナー社長は、当初他のM&A仲介会社に依頼していたところ、着手金をとられた上にほとんど買い手候補を紹介されることがなく成果が出なかったため、弊社に相談があった。 弊社が売却支援を受託してからは、ほどなくして複数の買い手候補が現れ、その中で、近接分野である空調設備のメンテナンスを手掛ける買い手が最終的に強い買収意欲を示し、買収に至った。 オーナー社長は、一定期間顧問として売却後も会社に残ったが、引き継ぎも順調に完了し、残留期間を前倒しして顧問を退任し、現在は小規模な事業を営んでいる。 【電気工事・空調設備業界のM&A最新動向】 電気工事・空調設備工事会社の多くは中小企業であり、工場の海外移転等により国内市場が縮小する中、厳しい価格競争が繰り広げられています。 このような厳しい経営環境において、生き残るためには規模の確保が必須となってきており、規模拡大を目指すM&Aが活発化しています。 また、従来は、電気工事会社は電気工事のみ、空調設備工事会社は空調工事のみを手掛ける会社が一般的でしたが、受注単価の下落が続く中で、様々な設備工事・保守をワンストップで提供するために、電気工事会社による空調工事会社の買収や空調設備工事会社による機械設備工事会社の買収等、M&Aによりサービスを拡充するケースが増えています。 さらに、電気工事・空調設備工事会社の経営者の多くが引退の年齢を迎えており、後継者問題・事業承継問題を解決するためのM&Aも増加傾向にあります。 ■電気工事・空調工事業界が対応せざるを得ない2024年問題と解決策としてのM&A 2019年4月から全業種を対象とした「改正労働関係法令」が施行され、時間外労働の上限規制が適用となっていますが、電気・空調工事会社においては迅速な環境改善が困難であることから、当該規制の適用が2024年まで猶予された状態にあります。 最も大きな影響は、労働時間の上限規制です。この規制に対応するためには、従業員を今よりも多く確保する必要があり、慢性的に人手不足の環境にある小規模の電気・空調工事会社では対応に限界があります。また、2023年4月からは月60時間超の時間外労働への割増賃金率が25%から50%に増額されるため、業績面での影響も小さくありません。 この2024年問題の解決策として、M&Aにより、豊富な労働力を有し、強い採用力を誇る大手電気・空調工事会社のグループに入るという手法が注目を集めています。実際に、当社へのご相談の中でも、2024年問題への対応を見据えて、M&Aにより大手電気・空調工事会社の傘下に入ることを検討する経営者様が増えてきています。 インテグループは、電気工事・空調設備工事会社のM&Aに多くの実績を有しておりますので、会社のご売却をご検討中の経営様は是非ご相談ください。 参考:電気工事・空調設備工事会社のM&A・売却・譲渡 |