株式会社Anela沖縄
沖縄のレンタカー会社が事業譲渡した理由「次のステージに進む前向きな選択」
譲渡企業 | 譲受企業 |
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㈱Anela沖縄 | GMMレンタカー㈱ |
沖縄県 | 沖縄県 |
レンタカー | レンタカー |
スキーム 事業譲渡 |

株式会社Anela沖縄は、2018年に創業し、沖縄県那覇市で「マハロレンタカー」というレンタカー事業を営む企業です。同社の創業社長・小林直樹氏(41歳)は2024年12月、このレンタカー事業をGMMレンタカー株式会社(本社:沖縄県浦添市)に譲渡しました。「新しい目標のために前向きなM&Aを決断した」という小林氏に、いまの心境や決断の背景をお伺いました。
「アットホームな雰囲気を大切にしてきた」
まずは、会社の事業と特徴について教えてください。
那覇空港から車で約10分の場所で、2018年から旅行者をメインターゲットに「マハロレンタカー」というレンタカー事業を営んできました。
この店の特徴は、燃費のいいハイブリッド車を中心に取り扱っている点です。燃費がいいためガソリン代を抑えられ、お客さまのお財布に優しい料金体系を実現しています。
ネットを見ると、「早い」「安い」だけでなく「丁寧な対応」といった口コミも目立っていますね。
沖縄県内でもっとも高い評価をいただいていると自負しています。接客では流れ作業のような機械的な対応ではなく、人間味のあるコミュニケーションを心がけ、スタッフ全員で徹底してきました。
会社のコンセプトは南国のハワイをイメージしています。「マハロ」という言葉は、ハワイ語で「ありがとう」という意味です。この名前にふさわしい、アットホームな雰囲気を大切にしてきました。
事業を運営するなかで感じてきた“やりがい”を教えてください。
旅行中のお客さまが、わずかながらでも楽しい気分になってくれたり、お役に立てたりしたときにやりがいを感じました。「ありがとう」「すごく快適に乗れたよ」という言葉をかけてくれる方も多かったです。
われわれのような小規模のレンタカー屋にしては、リピート率も高く、多くのお客さまに可愛がっていただくことができたと思います。
逆に苦労を感じた瞬間はありますか?
最初は妻と2人で始めたのですが、洗車、貸出、返却、事務処理、メール対応などをすべて自分たちでやっていたので、スタッフが増えるまでは大変でした。
また、創業3年目にはコロナ禍で客足がぱたりと途絶えてしまい、そこから2年半くらいはどん底の苦しい時期もありました。
会社を経営するなかで、大切にしてきた信念はありますか?
従業員は20代、30代の若い子が多く、従業員が増えてからは、「なんとしてもみんなが生活できるように頑張らないといけない」と思っていました。コロナ禍で危うい期間も、ついて来てくれるスタッフを守りたい一心でやってきました。
この事業の経営をしてきてよかったと思いますか?
この会社で初めて経営者という立場を経験して、いろいろなことを知ることができました。無知で始めたところもあるのですが、やりながら多くの人に支えてもらい、成長してこられた。特に、収支のバランス感覚を身に付けることができたのは経営者として大きな学びになったと思います。
新会社に専念するために決断
今回、事業譲渡を決断した理由を教えてください。
沖縄県ではインフラ整備が進み、新しい道路が次々と建設され、宿泊業でも多くのホテルが新設されています。そうした状況に着目して、2024年2月に土木や建設事業を行う別法人を立ち上げました。その新しい会社に専念するため、今回の事業譲渡を決断しました。
6年間、事業を運営してきて愛着もあったと思いますが、譲渡することに迷いはありませんでしたか?
もちろん寂しい気持ちもありました。しかし、私は引き続きこの地域で仕事をしますし、「マハロレンタカー」のスタッフたちとも縁が切れるわけではありません。
うしろ向きの決断ではなく、次のステージに進むための前向きな選択だと考えています。
仲介会社にインテグループを選んだ理由についても教えてください。
インテグループさんからは、2024年5月にお手紙をいただきました。ほかの仲介会社からも案内をいただいていましたが、インテグループさんの文面には熱意が感じられました。また具体的な提案も含まれていましたので、この会社に相談してみようと思いました。
インテグループとの初回面談の印象はどうでしたか?
M&Aは初めての経験だったので、最初は半信半疑でした。しかし、担当の橋山さんと面談させていただき、第一印象で信用できる方だと感じました。さらに問い合わせから1週間ほどで、わざわざ沖縄まで足を運んでいただいたことにも誠意を感じました。
譲渡先は、同じ沖縄県内でレンタカー事業を展開するGMMレンタカーです。初回面談は2024年7月ですが、そのときの印象を教えてください。
初回面談は緊張していて、正直、あまり覚えていないんです(笑)。ただ、先ほどもお伝えしたとおり、アットホームな雰囲気を大切にしてきた事業なので、その雰囲気を守りたいという思いが強くありました。その点、GMMレンタカーさまは「いままでやってきたことを大幅に変えず、人を大切にする」「従業員の雇用形態も守る」と約束してくださり、その言葉に安心しました。
また、価格面でも納得のいく金額を提示していただきました。当社の実績や口コミをトータルで評価していただけたことが、とても嬉しかったです。
初回面談から約4カ月で事業譲渡が完了しました。その期間中、不安に感じたことはありませんでしたか?
基本合意契約までは驚くほどスムーズに進みましたが、デューデリジェンスの期間は長く感じました。当初は株式譲渡を予定していましたが、最終的に事業譲渡に変更となるなど、紆余曲折があり、そのため譲渡が成立するのか、価格面で合意できるのかなど不安は常にありました。
その際、担当者の対応はどうでしたか?
私自身はナーバスになっていたので、ときには強く当たってしまうこともありましたが、橋山さんは決して感情的にならず、丁寧に説明をして納得させてくださいました。また、仲介人として、双方の要望を上手に調整していただきました。最終的に納得のいく金額で譲渡が成立したのも、橋山さんのおかげだと感謝しています。
結果的に、4カ月という短期間で譲渡が完了し、橋山さんが予測したスケジュール通りに進んだ点もよかったと思います。M&Aが成立しないケースも多いと聞きますが、実際に成立し、とても満足しています。
「M&Aを通じて非常にいい経験ができた」
2024年11月に事業譲渡が完了しましたが、その後、新たな建設業の法人に集中できる環境は整いましたか?
そうですね。引き継ぎも1カ月ほどでだいたいの目途はつけることができました。
ただ、休まず働いてきたので、一気に新法人に集中するのではなく、少しはゆっくりしたい気持ちもあります。家族と旅行に行ったりしながら、徐々にギアを上げていこうと思っています。
従業員の皆さんには、今回の事業譲渡をどのように伝えましたか?
基本合意契約後に従業員一人ひとりと面談を行いましたが、譲渡するにあたってモチベーションが下がらないようには注意しました。雇用形態が変わらないこと、むしろM&Aによって経営が安定し、よりよい環境になることを伝え、前向きな気持ちで進んでもらえるよう心掛けました。
最初は戸惑った表情を見せる人もいましたが、話し終えるころには全員が納得してくれました。長年一緒に働いてきたので寂しさもありますが、「縁が切れるわけではないし、何かあったらすぐ連絡してね」と伝えました。
「マハロレンタカー」の雰囲気は引継ぎ後に変化はありましたか?
引き継ぎ前にお約束いただいたとおり、特に大きな変化はないと思います。相変わらずアットホームな雰囲気で、従業員たちは機械的ではない、人間味のあるコミュニケーションをお客さまにしています。
それでは最後に、売却を検討している経営者に向けてメッセージをお願いします。
M&Aに対してマイナスのイメージを持っている方も多いかもしれませんが、私はプラスに捉えています。従業員にとっても、大きな会社に所属することで労働環境がよくなる可能性がありますし、売り手と買い手がwin-winの関係になれるのがM&Aだと感じました。
私は「次のステップに進むため」という理由でしたが、「後継者不足を補うため」など、さまざまな理由があると思います。どんな理由であれ、会社を存続させるためにM&Aを検討することは決して悪いことではありません。
私はM&Aを通じて非常にいい経験ができたと思っています。もし迷っている方がいれば、ぜひインテグループさんに相談してみてください。