企業売却
企業売却とは、企業の所有権を売却することです。一般的には、株式譲渡と同義で使用されます。
企業売却と事業譲渡の違い
企業売却(株式譲渡)と事業譲渡の違いは以下のとおりです。
■売り手
●企業売却では譲渡益に所得税(20%)が課税されますが、事業譲渡では、譲渡益に法人税(29%~42%)が課税されます。
●企業売却では契約のまき直しが不要で手続きが簡便ですが、事業譲渡では契約のまき直しが必要で手続きが煩雑になります。
●企業売却では、継続保有したい事業・資産を法人格ごと残すことができますが、事業譲渡では法人格と譲渡対象の事業・資産が切り離されることになります。
■買い手
●企業売却では買収金額は償却できませんが、事業譲渡では営業権は5年で償却でき、投資額に節税効果があります。
●企業売却では契約のまき直しが不要で手続きが簡便ですが、事業譲渡では契約のまき直しが必要で手続きが煩雑になります。
●企業売却では全ての資産を承継することになりますが、事業譲渡では必要な資産のみ選択的に承継できます。
●企業売却では簿外負債・偶発債務も承継することになりますが、事業譲渡ではこれらの負債の承継を回避できます。
●顧客・従業員の継承漏れが生じるリスクは企業売却よりも事業譲渡の方が高くなります。
中小企業の経営者が企業売却・事業譲渡について知っておくべき事項を以下にまとめましたので、是非ご参照ください。
企業売却はいつがベストか?
企業売却はタイミングが非常に重要です。企業を売却するタイミングを誤ると、売却できなくなったり、売却金額が非常に低くなってしまうことがあります。当社では、過去の実績にもとづき、企業の売り時について、以下のマトリックスにまとめました。詳細は、「いつが会社の売り時か」をご参照ください。
オーナー社長様の事業意欲 | |||
減退 | 旺盛 | ||
会社の業績 (現在および今後の見通し) |
良い | 1. 今が売り時 | 3. 売る必要は全くなし |
悪い | 2. 売れる時に売るべき | 4. あらゆる可能性を検討 |