エムアンドエー(MアンドA)案件への思い入れ
中小企業のエムアンドエー(MアンドA)では、良いと思った買い手候補から、“今回は見送りで”という断りの連絡を受けることが少なくない。
エムアンドエー(MアンドA)アドバイザーとしては、担当企業に相当程度入れ込んでいるため、このような連絡を受けると、正直落ち込む。
もちろん、売り手様の落胆はもっと大きいのであり、アドバイザーは落ち込んでばかりはいられない。2番手候補との交渉再開や、新規買い手候補の提案が必要となる。
エムアンドエー(MアンドA)アドバイザーは、常に冷静に、また、客観的にM&Aの進捗を見据える必要がある。だから、1つ1つの案件に入れ込みすぎるのは、良くないという意見もあるだろう。
しかし、個人的には、どこまでも担当企業と社長様に思い入れて仕事をしたいと思っている。
会社は創業社長の人生そのものである。
それを、機械的に売買することなど、とてもできない。
依頼主と依頼企業に徹底的に入れ込んで仕事をし、会社売却のプロセスに必ず伴う喜怒哀楽を、とことん共有したいと思っている。
関連記事>エムアンドエー(MアンドA)アドバイザーの見分け方
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18/Apr.2008 [Fri] 18:22
M&Aにおける誠実さの重要性
東証マザーズ上場のLTTバイオファーマの子会社である医療コンサルティング会社のアスクレピオスが、虚偽投資で200億円あまりを集め破綻したことがニュースとなっている。
少し調べてみると、LTTバイオファーマは、2007年9月にアスクレピオスを買収したばかりのようだ。
買収の際には、当然デューデリジェンスを実施したであろうが、このような問題は事前に確認できなかったのだろうか?
買収契約書には、このような事態が発生すれば売主に損害賠償請求できるような条項が付いているはずである。しかし、そもそも売り手に損害賠償資力があるのかが疑問であるし、少なくとも上場企業である親会社はレピュテーションの低下という回復困難な損害を受けることになるだろう。
どのような経緯・目的で、買収に至ったかは不明であるが、買主としては、売り手の誠実性を見誤ったということだろうか。
M&Aでは、売り手・買い手の誠実性がそもそものベースにあると思っている。
売り手様からご依頼を弊社として受けるかどうかを判断する場合に、会社の財務状況以上に重視するのが、経営者の誠実性である。
数回お会いするだけでは、本当にその方が誠実かどうかは、判断できない部分もあるだろう。
ただ、一度会っただけでも、“誠実ではない”という印象を持たざるを得ないような方も存在することは事実であり、そのような方からのご依頼は全てお断りすることになる。
弊社の社名の由来でもあるこの誠実性という問題を、再度考え直したいと思う。
籠谷智輝
29/Mar.2008 [Sat] 18:20
売り手の満足度
いい買い手をご紹介頂きありがとうございます”
M&Aのプロセスが基本合意の段階まで進捗した案件の売主様から、こんなお言葉を頂いた。
まだ、最終的にM&Aが成立した訳ではないので、“最後まで気を抜かずにサポートします”と返答したが、このような言葉をかけて頂けると、本当に嬉しくなる。
M&Aにおいては、譲渡金額だけではなく、売り手と買い手の経営方針や企業文化の親和性も、売り手の満足度に大きく影響する。
上記案件については、買い手の過去の実績、事業運営方針、社会貢献への熱意等に対し、売主様が共感する部分が多かったため、冒頭の謝辞となったようである。
M&Aは、最後は“ご縁”で決まる。
金額的にもそれ以外の部分でも十分満足できる最良の買い手、そういう相手に出会えるかどうかは、運やタイミングに左右される部分が少なくない。
ただ、M&A仲介者として、最高のマッチングを実現できるように、努力は惜しんではならない。
そんな決意を再確認させられた、本当にありがたいお言葉だった。
籠谷智輝
12/Mar.2008 [Wed] 18:18
同業他社との業務提携
2008年になって、同業のM&A仲介会社からの業務提携の問い合せが増えてきた。
提携を申し入れて頂いた会社としては、長い業界経験をお持ちの会社から、他業種から進出してきた会社まで、様々である。
弊社としては、信頼できる同業者様との提携・情報交換は積極的に進めて行きたいと考えている。一方で、どんな会社とでも無差別に提携するつもりはない。M&Aに関する手続きや情報管理手続きが確立されていない会社と組むことは、基本的には難しいと考えている。
まず、M&Aの手続きについては、全世界共通と言われるほど、大枠としては確立されたプロセスが存在する。当然、案件のサイズや状況次第で、一部のステップが省略されたりする場合はあるが、基本的な手続きは変わらない。
にもかかわらず、基本的なM&Aプロセスを理解していない新規参入のM&A仲介会社担当者とお会いして、驚かされることが少なからずある。
また、弊社が最も気を使っている秘密情報の管理についても、各社、対応や慎重度合いが異なる。例えば、弊社では、売り手様に買い手候補のリストをご覧頂き、その中で売り手様の許可を頂いた買い手候補にだけ、アプローチする。また、買い手候補と秘密保持契約書を締結するまでは、具体的な資料開示は行わない。これは決して特別なことではなく、M&A仲介会社がとるべき当然の手続きだが、このような慎重なアプローチを取らない同業者や個人ブローカーが存在することも事実である。
弊社の手続きは、売り手・買い手の利益を守るためのものであり、安易に省略できないものである。したがって、手続きに関する慎重さのレベルが異なる会社とは、弊社としては協働できないという結論になる。
少々偉そうな書き方をしたが、弊社も会社自身の業暦はそれほど長くなく、同業他社である先輩企業から学ぶべきことは多い。
長年、誠実にM&A仲介業を経営されている会社の社長様との面談からは、いろいろと学ぶことが多く、非常に勉強になる。
全ては依頼者であるオーナー経営者のために、研鑽を続けることが必要なのだと思う。
籠谷智輝
25/Feb.2008 [Mon] 18:15
デューデリジェンス
弊社は、自社が仲介者又は、アドバイザーとなるM&A案件については、デューデリジェンスは行わない。弊社の報酬体系は成功報酬のみとなっているため、案件を成立させたいという意向が強いため、同時にデューデリジェンスも担当するとディールのブレイク要因を発見しても報告したくないというインセンティブが働き、利益相反の問題が発生するからだ。
若干話はそれるが、大手監査法人のデューデリジェンスでは、本来買い手が必要としていないような指標分析や自明の情報の報告で、報告書のページ数をかせぎ、高額のデューデリジェンス報酬を請求しているケースが多いような気がしている。
監査法人によるデューデリジェンスの実態は、デューデリジェンス未経験の新人が手探りで手続きを実施していたり、また、バリュエーションについても事前に決まった評価額に合うように、論理式を調整しているすぎないことも少なくない。
つまり、あくまで私見だが、大手監査法人によるデューデリジェンスだからと言って、クオリティが高いとは必ずしも言えないのではないだろうか。
分厚い報告書をありがたがる気持ちも少なからず理解できるが、Quality(質)とQuantity(量)は、やはり別ものだと思う。
弊社は、弊社自身が仲介者又はアドバイザーとならないM&A案件については、デューデリジェンスを引き受けている。弊社はビジネス、財務、法務の専門家を社内に抱えており、総合的なデューデリジェンスをリーズナブルな価格で迅速に遂行することができると自負している。
お気軽に、デューデリジェンスのご相談を頂ければ幸いである。
籠谷智輝
18/Feb.2008 [Mon] 18:11