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M&Aの現場(BLOG)

事業再編と経済の弾力性

最近、上場企業から子会社の売却について相談を受けることが増えてきた。
厳しい経済環境を反映し、非中核部門を切り離し、本業へ資源を集中させる動きが加速してきている。

このような子会社は、業績好調な優良会社であるケースが少なくない。
平時であれば、売却対象となっていないか、または、非常に高額となるであろう案件もある。
したがって、十分なキャッシュを保有し、買収を積極的に検討している会社にとっては、現在の経済危機は、優良会社を買収する千載一遇のチャンスであると言える。

また、売却される子会社にとっても、グループ内での非中核事業として扱われるよりは、その事業を本業と位置づける企業の傘下に入った方が、生産性が高まり、メリットが大きいであろう。

危機下において、事業再編・グループ再編が生じ、その結果、経済全体の生産性が向上する。今、眼前で起こっているこのサイクル・経済現象が、グリーンスパン元FRB議長の言うところの“経済システムの弾力性”の一要素なのかもしれない。

緊急事態には、とかく近視眼的になりがちだ。
しかし、こういう時勢だからこそ、目先の案件の成約のみに目を囚われてはいけないのだろう。
“経済システムの弾力性”を微力ながらも支えているとの矜持を忘れず、社会的意義のあるM&Aのサポートという弊社の長期的ビジョンに向かって、より一層努力をしていきたい。

籠谷智輝

17/Mar.2009 [Tue] 20:00

デューデリジェンスの事前準備

ある会社のデューデリジェンスの事前準備が進捗している。

その準備の一環で、買い手から膨大な資料を依頼され、売り手のオーナー様は少し萎縮してしまった。
依頼資料の量から税務調査をイメージされてしまったようだ。

依頼資料の数こそ多いが、2日で完了する程度のデューデリジェンスであるから、重要な項目・リスクの高い項目を重点的にみるような形になると思われる。
その旨をご説明して、安心して頂いた。

ただ、中小企業では、資料の整理・整備状況が、上場企業と比べて劣っている場合が多く、デューデリジェンスの資料準備には、やはり多大な労力を要する。

デューデリジェンスは、M&Aプロセスにおける重要なプロセスであり、避けて通ることはできない。
ただ、売り手が実態以上に不安や負担を感じてしまう状況は避けるべきだ。
売り手の不安・負担感を軽減し、また、デューデリジェンスが徒労に終わることがないよう、しっかりとサポートすることも、M&Aアドバイザーの責務であると思う。

籠谷智輝

20/Feb.2009 [Fri] 19:58

かんぽの宿

「売却価格が低すぎる」として鳩山総務相が強く反対している。
「売却価格が高すぎる」と私は思う。

毎年40-50億円の赤字が出ている事業を、純資産(93億円)を上回る109億円で売却できれば御の字である。
通常M&Aの世界では、大きな赤字が出ている事業が、純資産以上で売れるということはまずない。

派遣切り等で失業が現在大きな社会問題になっており、また事業が赤字を垂れ流している現状において、全従業員の雇用の継続や一括売却が条件(少なくとも希望条件)となったのは妥当であろう。

宿泊・保養施設である「かんぽの宿」は一種の不動産ビジネスと言えるが、昨今これほど多くの不動産会社が倒産している中、不動産事業の買収資金を金融機関から調達するのは極めて困難であるし、買い手自体が相当な信用力がないといけない。
従い、入札前に一部の小規模で信用力・体力がないと思われる買い手企業がはじかれたのは不自然ではない。

もちろんプロセスに出来レース的な要素があったのであれば厳しく追求されるべきだが、今から一から再度売却活動をはじめるとなると、売却するのに半年から1年はかかるだろう。

例えば、半年売却が遅れれば、20-25億円の赤字が追加で発生するので、その分売却価格が上乗せされないと経済的に正当化されない。仕切りなおしで売却活動をしても、より高値で買収するまともな買い手を見つけられるかは極めて疑問である。

経済界は概ね日本郵政・オリックスに同情的と思われるが(或いは触らぬ神に祟り無しということで静観)、政治家が与野党共に鳩山総務相に同調的なのは残念だ。

(弊社は「かんぽの宿」の譲渡に関し一切利害関係はありません。また、新聞報道以上の情報は持っておりません。)

藤井一郎

07/Feb.2009 [Sat] 19:56

個人によるM&A

弊社で成約した案件では、8割のケースにおいて買い手が上場企業、残りの2割において買い手が未上場企業である。
個人が買い手となったケースは、現状ゼロである。

米国では、個人が起業する替わりに、小規模ビジネスを買収するということが、日常的に行われている。
会社を買収することが、起業するための一つの手段として、捉えられているようである。

日本では、個人が会社を買収するという発想自体が一般的ではないため、個人が買い手となるケースは少ない。
また、米国とは異なり、日本では個人でM&Aをする際の資金調達が困難であるという事情も影響している。
米国では、銀行の小規模ビジネス専用の融資コースをM&Aに活用することでき、また、買い手がM&A代価の分割払いを了承する土壌がある等、資金力に乏しい個人であっても、M&Aにチャレンジできる仕組みが存在する。

ただ、最近では、全体に占める割合は依然として小さいものの、個人からの買収の相談が増えてきている。
上場企業や中堅企業にとっては、小さ過ぎるM&A案件であっても、個人の買い手であれば、検討に値する規模であるケースは少なくない。

今後は、日本でも、個人を買い手とした小規模M&Aの市場が拡大していくのではないだろうか。

籠谷智輝

02/Feb.2009 [Mon] 19:54

新年明けましておめでとうございます

昨年は9月のリーマンショック以降、金融危機が本格化し、それが実体経済にも波及し、景気後退への突入が鮮明になった年でした。

今派遣切りが問題になり、改めて格差問題がクローズアップされていますが、今回の100年に一度とも言われる経済危機を契機として、企業は誰のためにあるかというコーポレート・ガバナンスの問題(株主価値最大化論かステークホルダー論か)、脆弱さを露呈したROE向上を目標とする企業経営の是非が今年は改めて問われてくるでしょう。

弊社は昨年は、一昨年から取り組んでいた案件を含め、売り手のオーナー社長様、買い手企業様(殆どが上場企業)の双方がwin-winとなる種々のM&A案件の成立に貢献でき、会社としても成長の礎を築くことができたものと思います。

今年は、景気後退局面にあるため、企業の投資意欲が落ちることが予想されますが、後継者不在の事業承継問題は存続しており、また、景気とは関係なく人口減少が進み、それに伴い殆どの業界では市場が縮小(又は横這い)する中、生き残りをかけた業界再編、大手企業による同業他社の買収、大企業の戦略的部門(子会社)売却は引き続き活発に行われるものと思います。また先行きに対する不透明感が増す中、オーナー経営者様からの売却に対する相談は増えるものと思います。

このような市場環境の中で、弊社としては、飛び道具を使うことなく、真面目にコツコツと誠実に仕事をし、依頼者様の期待に応えることによって、会社を成長発展させていく所存です。

本年も何卒宜しくお願い致します。

藤井一郎

04/Jan.2009 [Sun] 19:51

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