調剤薬局のM&A・売却・譲渡の完全成功マニュアル
調剤薬局とは
医師の処方箋に基づき、医薬品の調剤・販売を行う事業所である。
調剤薬局業界の実態
調剤薬局は市場規模7.2兆円の巨大マーケットだが、その店舗数は57,000店を超えており、その8割以上が小規模事業者という典型的な断片的市場となっている。
医薬分業の方針の下、戦後一貫として高成長を続けてきた調剤薬局業界だが、現在は成熟期を迎えており、調剤件数及び処方箋枚数の伸び率鈍化が顕著となっている。
また、競争環境としては、同業大手が積極的な出店を続けていることに加え、医薬品卸会社やドラッグストアチェーン等の近接業種からの調剤薬局事業への参入も相次ぎ、競争は激化している。
一方、薬学部の6年制への移行により慢性的な薬剤師不足の状態に陥っており、人材確保が困難となり採用費用が高騰している。
さらに、消費税増額等による薬価差益の縮小や診療報酬の減額等、調剤薬局を取り巻く環境は厳しさを増す一方である。
調剤薬局のM&Aの最新動向
現在、調剤薬局の買収ニーズは依然として強い状況にはあるものの、昨今の厳しい診療報酬の減額を受けて、買い手は買収対象を厳選する意向を強めており、圧倒的な売り手市場で小規模な薬局であっても高いプレミアムがついていた環境は終焉を迎えつつある。
今後は、好立地、高採算の物件に合理的な範囲での価格が付くようなM&Aが増えることが予想される。
また、厳しい経営環境に対応するため、大手同士または中堅同士のM&Aによる業界再編の動きが加速すると考えられている。
以下は、近年における調剤薬局のM&Aの実例である。
時期 | 買い手 | 売り手 | スキーム |
---|---|---|---|
2015年 | アインファーマシーズ | NPホールディングス | 株式譲渡 |
2015年 | ファーマライズHD | ドゥリーム | 株式譲渡 |
2015年 | 大信薬局 | 東伏見調剤薬局 | 事業譲渡 |
2014年 | クオール | ホリタ薬品 | 株式譲渡 |
2014年 | アフルレッサHD | 日本アポック | 株式譲渡 |
2014年 | 阪神調剤HD | 高階誠心堂 | 株式譲渡 |
2013年 | 富士薬品 | くすりの鶴美堂 | 株式譲渡 |
2013年 | ツルハHD | ハーティウォンツ | 株式譲渡 |
2013年 | カメイ | エムシーエス | 株式譲渡 |
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インテグループの調剤薬局M&A成約事例
●調剤薬局1店舗(売上約80百万円)を売却した事例
●調剤薬局1店舗(売上約2.5億円)を売却した事例
調剤薬局のM&Aのスキーム
調剤薬局のM&Aは、主に株式譲渡又は事業譲渡で行われる。
調剤薬局の売却のメリット
売り手のメリット
●売却により薬剤師確保の手間から解放される
●売却により創業者利益が得られる。
買い手のメリット
●好立地が獲得できる。
●規模が拡大できる。
●地域的な拡大が図れる。
調剤薬局の売却の手順
調剤薬局を売却する場合の手順は以下のとおり。
概ね3~5か月程度で全プロセスが完了する。
①M&A仲介会社に相談
②資料準備
③打診先について協議
④買い手候補への打診
⑤トップ面談
⑥買い手候補からの意向表明(条件提示)
⑦最終交渉先の選定
⑧基本合意の締結
⑨デューデリジェンス
⑩株式譲渡契約(事業譲渡契約)の締結
⑪従業員への説明(事業譲渡の場合)
⑫保健所への説明(事業譲渡の場合)
⑭株式譲渡(事業譲渡)完了
ご参考:調剤薬局のM&A・売却・譲渡
まずは無料相談
インテグループでは、調剤薬局のM&A支援において豊富な実績があります。
調剤薬局の優良な買い手候補とネットワークを有していますので、調剤薬局のご売却をお考えの経営者様は、まずはお気軽にお問合せください。
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18/Jul.2017 [Tue] 16:58
福祉用具レンタル会社のM&A・売却・譲渡・買収の完全成功マニュアル
福祉用具レンタルとは
福祉用具レンタルは、指定業者が利用者の状況等を踏まえ、適切な福祉用具を選ぶための援助・取り付け・調整などを行い、福祉用具を貸与する介護サービス。
福祉用具のレンタル費用の1割(一定以上所得者の場合は2割)が利用者負担となる。
福祉用具レンタルの対象は「車いす」「特殊寝台」等の13品目で、要介護度に応じて保険給付の対象となる品目が異なる。
福祉用具レンタル業界の現状
福祉用具レンタル業界のプレイヤーとしては、訪問介護事業等と兼業の小規模貸与事業者、福祉用具レンタル専門会社、レンタル会社に福祉用具を貸与するレンタル卸会社がある。
兼業の小規模貸与事業者が非常に多いのが現状だが、仕入価格やメンテナンス施設のコスト負担等で優る福祉用具レンタル専門大手がシェアを伸ばしており、小規模業者の経営環境は年々厳しさを増している。
また、ヤマシタコーポレーション等のレンタル卸会社やフランスベッド等の福祉用具メーカーも相次いで福祉用具レンタル事業に進出しており、競争は激化してきている。
福祉用具レンタル会社のM&Aの現状
福祉用具レンタル事業は、M&Aによる規模拡大により、仕入価格の低減、メンテナンス・物流施設負担の軽減等が図れるため、業界大手はM&Aによる規模拡大、未進出エリアへの進出に積極的である。
一方、小規模貸与事業者にとっては、上述のとおり競争環境は厳しくなってきており、後継者不在という問題とも相まって、会社の売却や福祉用具レンタル事業の事業譲渡による切り離しを検討する会社が増えてきている。
このように買い手・売り手双方のニーズが合致しているため、福祉用具レンタル会社のM&Aは今後もますます活発になっていくと考えられているが、一方で、2018年の介護報酬改定を睨み、レンタル会社の買収ニーズは2016年をピークに漸減するという見方もある。
以下は、近年における福祉用具レンタル会社のM&Aの実例である。
時期 | 買い手 | 売り手 | スキーム |
---|---|---|---|
2015年 | セントケアHD | 虹の街企画 | 株式譲渡 |
2015年 | ニッケ | 日本パムコ | 株式譲渡 |
2014年 | メディカル一光 | 東邦薬品 | 事業譲渡 |
2014年 | メディカル・一光 | ハピネス・ライフケア | 株式譲渡 |
2012年 | 豊田通商 | 日医福利器具貿易 | 増資 |
2011年 | ロングライフHD | 日本ビコー | 株式譲渡 |
インテグループにおける福祉用具レンタル会社M&Aの成約事例
●福祉用具レンタル事業(売上約1億円)の売却事例
●福祉用具レンタル事業(売上約50百万円)の売却事例
●福祉用具レンタル会社(売上約3億円)の売却事例
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福祉用具レンタル会社のM&Aのスキーム
福祉用具レンタル会社のM&Aでは、小規模なものは事業譲渡で行われることが多い。この場合、顧客・レンタル在庫・ケアマネ等の営業ネットワークのみが移管対象とされ、従業員は異動しないことが多い。
これは、レンタル事業では日常業務について会社間で大きな差異がないため、従業員の異動を伴わずともスムーズな継承が可能であり、買い手側も従業員を引き継がず既存の自社人員で吸収してしまう方が承継事業の利益率が高くなるためである。
また、事業譲渡の場合は、全ての契約者との契約のまき直しが必要となるため、引き継ぐ契約者数が多い場合には行政等の事前相談の上で吸収分割の方式で事業を継承するケースもある。
一方、一定以上の売上規模(概ね1億円以上)の福祉用具レンタル事業のM&Aにおいて、株式譲渡を選択することが多い。
福祉用具レンタル会社のM&Aのメリット
売り手のメリット
●創業者利益の獲得
買い手のメリット
●規模拡大
●新規エリアへの進出
福祉用具レンタル会社のM&Aの手順
福祉用具レンタル会社を売却する場合の手順は以下のとおり。
概ね3~5か月程度で全プロセスが完了する。
①M&A仲介会社に相談
②資料準備
③打診先について協議
④買い手候補への打診
⑤買い手候補との面談・施設見学
⑥買い手候補からの意向表明(条件提示)
⑦最終交渉先の選定
⑧基本合意の締結
⑨デューデリジェンス
⑩行政への相談・許認可関連のスケジュール確認
⑪株式譲渡契約(事業譲渡契約)の締結
⑫従業員への説明(事業譲渡の場合)
⑬利用者・ケアマネへの説明・挨拶(事業譲渡の場合)
⑭クロージング(M&A完了)
まずは無料相談
インテグループでは、福祉用具レンタル会社のM&Aについて豊富な支援実績があります。
福祉用具レンタル会社の優良な買い手候補とネットワークを有していますので、福祉用具レンタル会社のご売却をお考えの経営者様は、まずはお気軽にお問合せください。
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18/Jul.2017 [Tue] 12:53
グループホームのM&A・売却・譲渡の完全成功マニュアル
グループホームとは
認知症高齢者グループホームとは、認知症の高齢者に対して、共同生活住居での家庭的な環境下において、入浴・排泄・食事等の生活補助と機能訓練を行うことにより、認知症の進行を遅らせることを目的とした介護サービス。
入居者は最大9人ごとのユニット制をとっている。
以前は3ユニット・定員27名の施設も許可されていたが、現在は2ユニット・定員18名までしか許可されていない。
グループホーム運営の実態
グループホームは全国に11,000施設以上存在しているが、その大半は1~数施設を運営する小規模運営者である。
グループホーム運営には、複数の有資格者を確保する必要があり、人材確保・管理が小規模運営者にとっては負担となっている。
グループホームのM&Aの現状
グループホームは比較的小規模な投資で安定した収益が見込まれることから、大手グループホーム運営事業者を中心に新規開設の動きが活発となっている。
また、新規開設のみならず、既存の施設を買収することにより、積極的な規模拡大を目指す事業者も多数存在している。
一方、小規模運営者にとっては、上述のとおり人材の確保・管理が負担となっており、会社全体又はグループホーム事業の売却を希望する事業者も出てきている。
このように買い手・売り手双方のニーズが合致しているため、グループホームのM&Aは今後もますます活発になっていくと考えられている。
以下は、近年におけるグループホームのM&Aの実例である。
時期 | 買い手 | 売り手 | スキーム |
---|---|---|---|
2015年 | ナンブ | ヘルスケアサポート | 株式譲渡 |
2015年 | シノケングループ | フレンド・ベスト | 株式譲渡 |
2014年 | オーイズミ | アルプスの杜 | 株式譲渡 |
2014年 | 積水化学工業 | ヘルシーサービス | |
2013年 | メディカル・ケア・サービス | 医療法人光松会 | 事業譲渡 |
2012年 | メディカル・ケア・サービス | グループホームキノシタ | 株式譲渡 |
2012年 | メディカル・ケア・サービス | エム・ティー商会 | 事業譲渡 |
2009年 | メディカル・ケア・サービス | ボンセジュール | 事業譲渡 |
インテグループにおけるグループホームM&Aの成約事例
●グループホーム1拠点(売上:約1億円)の売却事例
●グループホーム・老人ホーム運営会社(売上:約3億円)の売却事例
●老人ホーム事業(売上:約2億円)の売却事例
●グループホーム事業(売上:約1億円)の売却事例
●障害者グループホーム事業(売上:約20百万円)の売却事例
●グループホーム事業(売上:約1億円)の売却事例
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グループホームM&Aのスキーム
グループホームのM&Aは、不動産の売却を伴わない事業譲渡で行われることが多い。
これは、グループホームを運営する小規模事業者は、元々保有していた私有地に施設を建設することが少なくなく、土地や建物の売却を希望していないケースが多いからである。
また、買い手の多くも初期投資を抑えるため不動産の購入を希望することも一因となっている。
不動産の譲渡を伴わない場合、買い手は一定の事業譲渡対価でグループホーム事業を買収した後、土地・建物の賃借料として一定の賃料を売り手に対して継続的に支払うこととなる。
この場合、事業譲渡対価の相場は35百万円~50百万円、賃借料の相場は80万円/月~110万円/月であり、地域・グループホームの家賃・事業損益等を勘案して決定される。
グループホームの事業譲渡のメリット
売り手のメリット
●事業譲渡により人材確保・管理の手間から解放される
●事業譲渡後も安定した賃料収入が得られる
買い手のメリット
●既存施設の引き継ぎのため許認可が受けやすい
●従業員・入居者を一括で継続できるため立ち上げ期間が無い
●不動産を購入しないことで初期投資が抑制できる
グループホームの事業譲渡の手順
グループホームを事業譲渡する場合の手順は以下のとおり。
概ね3~5か月程度で全プロセスが完了する。
①M&A仲介会社に相談
②資料準備
③打診先について協議
④買い手候補への打診
⑤買い手候補との面談・施設見学
⑥買い手候補からの意向表明(条件提示)
⑦最終交渉先の選定
⑧基本合意の締結
⑨デューデリジェンス
⑩事業譲渡契約の締結
⑪行政への相談・許認可関連のスケジュール確認
⑫従業員への説明
⑬入居者・家族への説明
⑭事業譲渡完了
まずは無料相談
インテグループでは、グループホームのM&Aを支援した豊富な実績があります。
グル―プホームの優良な買い手候補とネットワークを有していますので、グループホームのご売却をお考えの経営者様は、まずはお気軽にお問合せください。
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18/Jul.2017 [Tue] 12:49
マンション管理会社のM&A・売却・譲渡の完全成功マニュアル
マンション管理会社とは
マンション管理会社とは、マンション管理組合から委託を受けてマンション管理事務を請け負う会社である。
分譲マンションには、居住スペース等の住民が単独で所有する専有スペースと、廊下・エレベーター等の住民全員が共有する共有スペースがあり、マンション管理組合とは、この共有スペースを管理するために住民から構成された組織である。このマンション管理組合が行う業務には、共用スペースの清掃、エレベーター等設備のメンテナンス、修繕積立金の出納等があるが、一般的にこれらの業務は外部業者に委託されており、それを受託するのがマンション管理会社である。
マンション管理業を営むためには、マンション管理適正化法の規定に基づき、国土交通大臣の登録を受け、国土交通省が所管するマンション管理業者登録簿に登録することが必要となる。
マンション管理業界の実態
マンション管理業界は、大きくデベロッパー系の管理会社と独立系の管理会社に分かれている。
右肩上がりの成長を続けてきたマンション管理業界だが、新規戸数の増加はピークを迎えつつあり、かつ、2020年以降には管理戸数が減少を始めるとの予測もある。管理サービスによる差別化が難しい業態であるため、顧客のリプレイスには価格競争が必須となっており、競争が激化するに伴い、マンション管理委託料の低価格化が進んでいる。
また、受託戸数5000戸未満の小規模な事業者が全事業者の過半数を占めており、典型的な断片的市場となっている。
マンション管理会社のM&Aの現状
マンション管理業界では、過去からM&Aが活発に行われてきた。以前は、不動産市場の不沈に併せて、経営不振に陥ったデベロッパーが傘下のマンション管理会社を手放すケースが多かったが、最近では、マンション管理業界の草創期の創業者が高齢になりつつあり、事業承継のために会社を売却するようなケースも増えてきている。
上述のとおり、マンション管理業界は、受託管理戸数5000戸未満の小規模企業が過半数を占めており、今後、価格・サービス面での競争が激化し、さらにコンプライアンス対応への負担も増していく中で、中小事業者の経営環境は厳しさを増すことが予想され、中小事業者が大手の傘下に入るケースは今後も増加すると考えられている。
また、マンション管理業界では経営者の高齢化が進んでおり、事業承継の問題も深刻化している。この状況を反映し、後継者不在を理由としたM&Aも今後はますます増加して行くものと思われる。
一方で、大手マンション管理会社にとっては、新規営業により新たに受託物件を獲得することは容易ではなく、中小事業者の買収により管理戸数を一括で獲得することは、経営戦略上で重要な選択肢の一つとなる。実際に、ほとんどの大手マンション管理会社は、買収による規模の拡大に積極的な姿勢を打ち出しているのが現状である。
このように買い手・売り手双方のニーズが合致しているため、マンション管理会社のM&Aは今後もますます活発になっていくと考えられている。
以下は、近年におけるマンション管理会社のM&Aの実例である。
時期 | 買い手 | 売り手 | スキーム |
---|---|---|---|
2015年 | フージャ―ズHD | コーケンコミュニティ | 株式譲渡 |
2015年 | エムジーホーム | エムジー総合サービス | 株式譲渡 |
2014年 | グローバルコミュニティ | ジャパンリアルスーパービジョン | 会社分割 |
2014年 | 名鉄不動産 | 豊通リビング | 株式譲渡 |
2014年 | 三菱地所コミュニティ | 丸紅コミュニティ | 株式移転 |
インテグループのマンション管理会社M&A成約事例
●マンション管理会社(売上約1億円)を売却した事例
●不動産管理会社(売上約4億円)を売却した事例
●ビルメン・マンション管理会社(売上約6億円)を売却した事例
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マンション管理会社のM&Aのスキーム
マンション管理会社のM&Aは、株式譲渡又は事業譲渡で行われることが多い。事業譲渡が選択されるケースで多いのは、売却対象企業に法令的な瑕疵や過重な債務が存在する場合である。
マンション管理会社の売却のメリット
売り手のメリット
●売却により人材確保・管理の手間から解放される
●売却により創業者利益が得られる。
買い手のメリット
●一括して管理物件が獲得できる。
●地域的な拡大が図れる。
マンション管理会社の事業譲渡の手順
マンション管理会社を売却する場合の手順は以下のとおり。
概ね3~5か月程度で全プロセスが完了する。
①M&A仲介会社に相談
②資料準備
③打診先について協議
④買い手候補への打診
⑤トップ面談
⑥買い手候補からの意向表明(条件提示)
⑦最終交渉先の選定
⑧基本合意の締結
⑨デューデリジェンス
⑩株式譲渡契約(事業譲渡契約)の締結
⑪従業員への説明
⑫管理組合への説明
⑭株式譲渡(事業譲渡)完了
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インテグループでは、マンション管理会社のM&A支援において豊富な実績があります。
マンション管理会社の優良な買い手候補とネットワークを有していますので、マンション管理会社のご売却をお考えの経営者様は、まずはお気軽にお問合せください。
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18/Jul.2017 [Tue] 10:43
タクシー会社のM&A・売却・譲渡の完全成功マニュアル
業界の現況
国内輸送人数は年々減少しています。特に、2007年(平成19年)に初乗り運賃が660円から710円に値上げされたことにより、他の輸送手段と比較した場合のタクシーの割高感が増し、利用者数の急減を招きました。その結果、バブル期に約33億人を超えていた輸送人員は現在約14億人と半分以下まで低迷しています。
利用者数が減少する中、2002年(平成14年)の規制緩和以降タクシー台数が増加し、利用者数の減少と相まって、タクシー一台当たりの営業収入が大幅に悪化しました。この営業収入の低迷とそれに伴うドライバーの待遇悪化という状況を受けて、2009年(平成21年)よりタクシー台数が再規制され、タクシーの稼働台数は減少に転じ、2009年(平成21年)を底としてタクシー一台あたりの営業収入は増加傾向にあります。
タクシー業界の制度変遷
1.規制緩和
2002年(平成14年)に、道路運送法・タクシー業務適正化臨時措置法の一部が改正施行され、これまでの免許制から許可制となり、事業者の車両数増減も届出のみで自由に可能になりました。これにより、新規参入事業者が増加し、タクシーの台数も増加しました。
2.再規制
2002年(平成14年)の規制緩和により過剰供給・ドライバーの待遇悪化という状況を受けて、タクシー台数が再規制される流れとなり、2009年(平成21年)にタクシー適正化・活性化法(特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法)が施行されました。これにより、新規参入要件が厳格化され、増車が事前届け出制から許可制になるとともに、減車実施事業者に対する監査の特例、行政処分の特例等の優遇措置が設けられました。
3.初乗り運賃の引き下げ
2007年(平成19年)に初乗り運賃が660円から710円に値上げされ、さらに2014年4月からの消費税引き上げ(5%→8%)に伴い、初乗り運賃は730円まで上昇しました。この結果、他の輸送手段と比較した場合のタクシーの割高感が増し、利用者の低迷を招くことになります。この利用者の低迷を打破し、また増加する訪日観光客や高齢者のちょい乗り需要に応えるため、2017年(平成29年)1月より、東京(23区、三鷹市、武蔵野市)において初乗り運賃が700~730円から380~410円に引き下げられました。
タクシー業界のM&Aの現状
2009年(平成21年)の再規制により増車が容易でなくなり、台数増を図る大手タクシー会社は他社の買収や営業権の譲り受けを積極的に行っています。
タクシー会社の有力な買い手候補としては、第一交通があります。同社は、1970年代からタクシー会社の買収を進めており、毎年M&Aにより全国で300台以上車両数を増やし続け、車両台数で業界トップに躍り出ました。
また、業界大手の日本交通も積極的にM&Aを進めており、大阪の桜交通を買収するなどM&Aによる東京以外の地域への進出も果たしています。
一方、利用者数の減少、ドライバー不足、システム投資負担等、中小タクシー会社にとっては厳しい経営環境が続いており、経営者の高齢化や後継者不在の問題と相まって、タクシー会社の売却を決断する経営者が増えてきています。
このように、売り手と買い手のニーズが合致していることから、タクシー会社やタクシーの営業権のM&Aは今後も増加することが見込まれます。
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タクシー業界のM&A事例
タクシー業界の過去の主要なM&Aは、以下のとおりです。
時期 | 売り手 | 買い手 | スキーム |
---|---|---|---|
2016年 | 南仙台交通 | 第一交通 | 株式譲渡 |
2016年 | 第一 | 第一交通 | 株式譲渡 |
2016年 | 三葉交通 | 三ツ矢エスタグループ | 株式譲渡 |
2016年 | 三和交通 | 第一交通 | 株式譲渡 |
2016年 | さくらタクシー | 日本交通 | 株式譲渡 |
2015年 | ユアーズ | 第一交通 | 株式譲渡 |
2015年 | 未来都 | 日本交通 | 事業譲渡 |
2015年 | 西日本自動車 | 日新交通 | 事業譲渡 |
2015年 | みちのりホールディングス | 日産観光 | 株式譲渡 |
2014年 | 毎日交通 | 第一交通 | 株式譲渡 |
2014年 | 南大阪交通 | 大阪第一交通 | 株式譲渡 |
タクシー会社の売却金額の相場
東京23区・武蔵野・三鷹エリアを営業区域とするタクシー会社の買収ニーズは非常に強く、タクシー1台当たり600万円前後と非常に高額で取引されています。
ただ、今後の経済情勢、国内人口の減少、訪日観光客数の頭打ち、ライドシェアビジネスの台頭、自動運転技術による業界構造の大転換等、将来的な展望を不安視する買い手も少なくなく、今後もタクシー会社に高い評価が付き続ける保証はありません。
タクシー会社を売却すべき時期
タクシー会社の売却をお考えでしたら、今がベストのタイミングと言えます。
売却を検討中の社長様は、以下のページからお問合せいただくか、03-6206-6980までお問合せください。
買い手が気にするポイント
M&Aの際に買い手企業が気にするポイントは以下のとおりです。
・ドライバーの平均年齢
・ドライバーの賃金形態
・未払残業代の有無
・特措法による減車対応の有無
・国土交通省の法令違反の累積点数
・事故等による損害賠償額
・厚生年金基金への加入・積立不足負担の有無
・無線・非無線
売り手が準備すべき資料
・月次残高試算表(直近のもの)
・決算書・申告書(直近3年分)
・登記簿謄本
・定款
・経営者経歴書
・組織図
・運行管理体制
・就業規則、給与規定、退職金規定、賞与規定
・賃金台帳
・自動車検査済証
・許可証
・認可証取得時に運輸局に提出した添付書類(事業計画等)
・申請・届け出履歴
・本社・駐車場の土地建物の賃借契約書
・所有不動産の登記簿謄本
・固定資産税納税通知書(直近のもの)
・リース契約一覧
・リース契約書
・任意保険契約書
・一般乗合旅客運送事業に係る事業概況書(直近3年分)
・一般乗合旅客運送事業に係る輸送実績報告書 (直近3年分)
・一般乗合旅客運送事業に係る累積違反点数の状況(直近)
・一般乗合旅客運送事業に係る未解決交通事故(人身・物損)の状況
・係争中、未解決の訴訟、そのほか裁判事件の一覧表
・金銭消費貸借契約書(借入、貸付)
・現在の運賃認可内容(迎車料金、予約料金、定額運賃等)がわかる資料
タクシー会社を売却するなら
インテグループでは、タクシー会社の売却・買収を検討中の経営者様からの無料相談を受け付けています。
ご相談をいただいたからといって、無理な営業や強引な勧誘は一切いたしませんので、お気軽にお問い合わせください。
ご相談内容については、秘密を厳守いたします。
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ご参考:タクシー業界のM&Aについて
06/Apr.2017 [Thu] 11:38