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M&Aの現場(BLOG)

M&A金額の減少

2008年上半期のM&A金額は前期比で大幅に減少したようである。
サブプライム問題の影響で、投資ファンド等の資金調達が困難になり、大型案件が減少したことが主因だと言う。

中小企業のM&Aにおいては、ファンドによるM&Aの減少の影響は大きくない。ただし、中小企業のM&Aも、マクロの経済事情には少なからず影響される。景気の先行きが不透明な時には、買い手がM&Aについて慎重になるからだ。不動産等の一部業種においては、この兆候が出てきており、案件の成約が以前に比べて難しくなってきている。

ただ、全般的には、弊社の事業領域である中小企業のM&Aマーケットは、拡大を続けているようだ。弊社の月次の相談件数も継続して増加傾向にある。

友好的M&Aによる円滑な事業承継のサポートは、不況時にこそ求められるサービスなのかもしれない。
1件でも多くのM&Aをサポートできるよう、弊社のマーケティング・サービス内容をより良いものに進化させていきたい。

籠谷智輝

01/Jul.2008 [Tue] 18:45

M&Aの買い手の品格

M&Aのプロセスが進んでいくと、買い手の担当者と売り手の社長が面談するという局面が出てくる。
この場合の買い手サイドの対応が、その後の交渉や最終的な売り先の選定に影響を及ぼすことが少なくない。

M&Aにおいて、買収金額というのは、売り手の決断に影響する大きな要素の一つである。
ただし、その金額の多寡だけで、売り手が意思決定をするわけではない。
買い手に対する印象、買収後の会社の運営方針、従業員の雇用の維持、企業のカルチャーの維持等、意思決定の要素は多種多様である。
その中でも、特に、最初の面談時の第1印象というものが、売り手の決断に大きな影響を与えている、と感じる。

M&Aにおいて、買い手は、クリアにしたい様々な疑問・質問を抱えているものであり、いきおい、売り手社長との面談時に、尋問口調・批判的見方に陥りがちである。しかし、これでは、売り手社長の気分を害しかねない。聞くべきことはしっかり聞くが、その聞き方はあくまで穏やかに、かつ売り手の気分を害さないように配慮するべきである。

また、面談時にどのレベルの職責者を連れてくるかで、売り手の印象は大きく変わる。より上席者が同席するほど、買い手の意欲が伝わり、売り手の好感度が高まるのは言うまでもない。
先日も、ある会社のトップ面談の際に、買い手担当者が社長を連れて来たという例があった。買い手社長は、海外出張等の合間を縫って、決して近場ではない売り手の本社工場まで足を運んだ。この売り手の社長は、買い手側が社長を連れてきたことに、大変驚き感激されていた。他の買い手は、担当者レベルが面談対応していたので、特にその思いが強かったようだ。
大企業であればあるほど、第一段階の面談時点で、社長を連れてくるのは難しいだろう。ただ、その場合もできるだけ上席の職責者を連れてきた方が、売り手サイドの印象が良くなることは間違いない。

さらに、買い手の中には、常識的な礼儀を欠いた態度で面談に臨む会社もある。そもそも“買ってやる”という態度、ぶっきらぼうなしゃべり方、ノーネクタイでやってくる、ソファーでふんぞり返る、売り手の社長の経営方針に対して余計なお世話のアドバイスをする等、横で聞いていて冷や汗をかくときがある。
上述の社長を連れてきた買い手候補は、売り手に対してしっかりと礼儀を尽くされていた。社長の功績を褒める、従業員の方に丁寧に挨拶する、翌日お礼の電話を入れるなど、アドバイザーの私が見ていても気持ちよくなる対応であった。

中小企業を買うということは、オーナー経営者の人生を買うということに等しい。
買ってやる、という態度は、そもそも筋違いであり、オーナー経営者に対する敬意を決して欠いてはならない。

M&Aの買い手にも品格が求められている。

籠谷智輝

22/Jun.2008 [Sun] 18:43

経営者の魅力

仕事柄、中小企業の創業者と会う機会が多い。
皆さん起業家なので色々なキャラクターの方がいらっしゃるのが、優れた会社の経営者には、一つの共通点があるような気がする。
それは、人間的に非常にチャーミングであるということだ。
若輩の私が、起業家の大先輩に対してチャーミングだとは無礼千万な言い方ではあるが、経営者が従業員・取引先から好かれる愛すべき人物であるということが、不確実性の高い中小企業において重要な成功要因の一つになっているのではないかと思う。

本日、会社売却のご依頼を頂き、工場見学をさせて頂いた会社の社長様も、チャーミングという言葉がぴったりの方であった。
起業の経緯や仕事に対する姿勢、人生観などのお話を聞いているだけで、こちらが楽しくなってしまった。
そして、その経営者の方の人間性そのままに、その会社の内容もまた抜群に素晴らしい。

M&Aの仲介という仕事の醍醐味の一つが、このような素晴らしく魅力的な経営者の方に多く出会えることだ。
素晴らしい経営者に会えることにワクワクしながら、業務に邁進する日々である。

籠谷智輝

06/Jun.2008 [Fri] 18:40

M&Aの資料準備

M&Aのプロセスがある程度進んでくると、多くのケースで、買い手から、今後の事業計画の提出を要求される。
買い手にとっては、事業計画は、買収価額の評価や社内での意思決定の材料となる重要な資料である。
一方、売り手にとっては、今後の事業計画を作っている会社は多くないため、事業計画は、M&Aに際して新たに作成しなければならない資料であることが少なくない。
ところが、事業計画を作成したことがない会社では、どのような資料を作成したら全く分らない、という事態に陥ってしまう。
このような場合、弊社の担当者が、社長と相談の上、適切な事業計画の雛形を作成し、それに基づいて事業計画を作成してもらうことになる。
また、弊社は、経験上、買い手が知りたいポイントをある程度把握しているため、自社で事業計画を作成できる会社に対しても、重要なポイントをしっかりと押さえた事業計画の作成をアドバイスすることができる。

M&Aにおいては、事業計画以外にも、売り手は様々な資料を作成・準備しなければならない。会社売却の相談の際にも、資料の準備が大変ではないかという不安を口にする社長様は少なくない。もちろん、資料の準備にはある程度の労力は要するが、通常の事業活動を行っていればそもそも揃っている資料が大半であるし、新たに作成が必要な場合には、弊社担当者がサポートさせて頂くので、手続き的なところで心配されず、まずは、お気軽にご相談頂きたいと思う。

籠谷智輝

25/May.2008 [Sun] 18:38

ある事業承継の問題

先日、ある企業の経営者とお話をする機会があった。
その方は、後継者問題を抱えており、このようにおっしゃっていた。

「息子が、上場企業に勤務しており、そこでの仕事が面白いらしく、帰ってきて家業を継ぐ意思がない。上場企業とはいえ、1サラリーマンに過ぎず、給料はたかが知れている。家業を継げば、年収は数倍になるだろう。早く帰ってきて家業を継いだ方が、息子のためになるのに、そこを理解してくれない。」

この経営者は、安定した会社経営を実践されている大変立派な方であったが、2つの思い違いをされていると思う。
一つは、現在の家業の安定が将来も継続するという思い違いだ。中小企業は、人口減少により縮小が続いている国内を主なマーケットとせざるを得ず、収益環境についての不確実性は高まってきている。また、創業者から事業を承継した子息が、創業者と同じレベルの経営意欲・能力を保有しているとも限らない。したがって、家業での収入がサラリーマンの年収大きく上回るという現況は、将来的には必ずしも保証されていないと言える。

2つ目は、給料の金額が、必ずしも人生における幸せと同義ではないということだ。
上場企業では、中小企業ではできない規模のビジネスができる。相対的に、レベルが高い上司・同僚から刺激を受ける機会も多いだろう。また、興味の対象が、必ずしも家業の領域にあるとは限らない。
高い収入を得ることよりも、自分が好きで、興味があり、社会的に意義があると思えることを職業とすることの方が、より人生を豊かに、幸福にするのではないだろうか。
事実、私の周りにも何名も家業に戻った2代目、3代目がいるが、意欲を失っていたり、後悔している人間が少なくない。

私自身、会社経営者の長男であるため、親族以外への事業承継が、いろいろな面で困難を伴うのは理解している。
ただ、子息への事業承継が、必ずしも幸福な結果となるとは限らないというのも事実だ。

ご子息、従業員、顧客、そして創業者である社長自身にとって、最も幸せな事業承継の形がどのようなものなのか、固定観念に囚われず、様々な選択肢を検討してみる必要があるのではないだろうか。

籠谷智輝

14/May.2008 [Wed] 18:36

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